Report no.7:これからのファッション
  • OTHER REPORTS
  • Report no.1
  • Report no.2
  • Report no.3
  • Report no.4
  • Report no.5
  • Report no.6
  • Report no.7
  • Report no.8
  • Report no.9

Report no.7
これからのファッション
講師:細川秀和(Lee Japan)、生駒芳子(ファッションジャーナリスト)、サフィア・ミニー(ピープル・ツリー)

 日本のエシカル最前線をけん引する「顔」とも言える3人がそろった講義には、開始前から多くの聴講希望者が詰めかけました。会場後方に並ぶ立ち見の受講者も後を絶たず、入場制限をかけるほどの事態に。「これだけ多くの人が関心を持ってくださっている。大きな花を咲かせられたら」と、生駒さんも超満員の会場の熱気に大きな手応えを感じている様子でした(PHOTO1)

 講義ではナビゲーターの生駒さんが、まず服飾ブランドの生産現場について2人に質問。細川さんは「染色や加工の工程で水と薬品をたくさん使うジーンズは環境負荷が高い」、サフィアさんは「日本のファッションブランドは多くが商社を通していて輸入していて、生産現場で何がどうなっているか見えにくい」と、それぞれ業界の問題点を指摘。自社ブランドではそうした体質を変えたいと環境や生産者の労働条件を整えていくことに力を注いでいるものの、その道のりは過程も細かく、時間もかかることにも触れていました。今年秋には、フェアトレードとオーガニックコットンの認証を受けた原綿を使った両社初コラボとなるジーンズが発売されるそうです。

 オーガニックコットンは一時期市場シェア1%を超えたものの、また元に戻ってしまったという話の中では、ファストファッションのグローバルブランドが参加する「ベター・コットン・イニシアチブ」という組織の話題に。オーガニックという「ベスト」な選択でなくても、「適度に」農薬や水の使用量を減らすことでサステナブルをうたうベター・コットン(遺伝子組み換え種でもOKで認証不要)が価格競争力を強みに勢いを増しているのだそうです。サフィアさんは「環境への負担を考えてベストでないと。ベターはナイスと同じで意味がない」と主張。細川さんは「エシカルも最終的にはビジネスだから、お金が入る方に動く。闘い、競争が始まっている」と、ビジネスの成功が業界を大きく動かすことを指摘(PHOTO2)。生駒さんも、オシャレでクリエイティブな新しい切り口を発見してそうした流れに対抗していくことの必要性を強調していました。

 「エシカル」という言葉に苦手意識を持つ人もいると語る細川さんは、「例えば、おばあちゃんからもらったバッグを大切に使っていたり、実は誰もが意識せずにやっていることだと思う。あぁそのことだったのかと、もっとカジュアルに、フランクに入っていけたらいい」と話すと、サフィアさんも「持ちものを大切にしたり、クリエイティビティーを生かしたり、日本の古来のファッションの在り方もそうだったと思う」と同意(PHOTO3)。生駒さんも「エシカルはどこかから飛んできたものではなく、眠っているものを起こすような感覚ですね。皆さんもそういうつもりで今日を過ごしてください」と会場に呼びかけていました(PHOTO4)

PHOTO1
PHOTO1

PHOTO2
PHOTO2

PHOTO3
PHOTO3

PHOTO4
PHOTO4


PARTICIPANT COMMENTS

宮原桃子さん

宮原桃子さん
(世田谷区、元ピープル・ツリースタッフ)

受講生にファッション関係者も多かったからか、「ベター・コットン」や「手織り風に機械で作る服」の話題が出たりして、エシカルでも「本物と偽物をどう見分けるか」という一歩踏み込んだ話題が出ていました。エシカルが好きな人は自分からどんどん入ってきてくれるけれど、関心の薄い人をどう巻き込んでいくか、私もフェアトレードについての絵本を最近自費出版したばかりですが、そのことが大きな課題だと感じています。


BACK TO TOP