Report no.2:高校家庭科講座・エシカルファッション
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Report no.2
高校家庭科講座・エシカルファッション
講師:葭内ありさ(よしうちありさ、お茶の水女子大学附属高等学校教諭、お茶の水女子大学非常勤講師)

 高校家庭科の授業に消費者教育の視点からエシカルファッションを取り入れ、全国的に注目されている葭内ありささん(PHOTO1)の授業には100人以上が集まり、教室の外から講義に耳を傾ける人だかりができるほどでした。受講生は胸にクラスと名前を大きく書いたバナナペーパー製の名札を貼りつけ、「気を付け、礼!」とあいさつ。学生気分も高まる演出です。

 授業は葭内さんがお茶の水女子大附属高で行っているエシカルファッションの単元をそのまま再現する形で進められました。まずは数人のグループに分かれ、生徒たちが考案したブランド服のカタログから購入したい服を3 つ選び、選んだ理由も添えます(PHOTO2)。「デザインがいい」「部屋着に良さそう」「着回せる」「実用的!」などといった声が上がり、グループの代表者が選択したブランド服の写真とその理由を書いた紙を黒板の表に貼り出しました。

 葭内さんは理由を見ながら服を選択する際のポイントをまとめていきます。着回せるといった「実用性」や購買欲を刺激する「広告」コピーの影響、デザインや色といった「好み」、手頃な「価格」など。葭内さんは、高校生は自分が手がけた服を選ぶ傾向が強かったことを挙げ、「自分で作ったから愛着がある。背景を知っていると選びたくなりますね」とコメント。黒板に「背景」というキーワードを加えます。さらに、カタログの服のコストから作り手の時給を割り出し、生産者の労働環境という「背景」を考えました。「例えばみなさんに人気のこの服は3990 円です。利益率は2~3 割と言われるから、原価は800 円くらい。そこから材料費と人件費を出すわけですが、1 着作るのに10 時間かかるとして時給に換算すると? 決して高くない。知っていると選びたくなるけれど、そういう背景を知るとどうしようかなとも思う。エシカルとはそうやって背景を考えて良心的な行動をとること」。葭内さんの説明は明瞭でわかりやすく、説得力を伴って会場に伝わっていました(PHOTO3)

 実際の授業を再現したこの講義では、パリのエシカルファッションショーで使われているエシカルマークについて学んだり(PHOTO4)、知識だけでなく行動することが大切だと伝えるために、生徒たちが「わたしたちのエシカル宣言」を考えて発表していることなどが、画像で紹介されました。感度の高い高校生たちが葭内さんの授業の意図を上手にくみ取り、大きな成果を上げている様子が伝わり、教育現場でエシカルファッションを取り上げることの意義を強く感じさせる内容でした。

PHOTO1
PHOTO1

PHOTO2
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PHOTO3
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PHOTO4
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PARTICIPANT COMMENTS

稲葉哲治さん

稲葉哲治さん
(新宿区、コンサルタント)

フィリピン北部の山岳地方の文化をモチーフにしたエシカルジュエリーブランド「EDAYA Japan」の実務などをプロボノでやっていて、葭内さんの活動については以前から知っていたので受講しました。こういうイベントは今までは女性が圧倒的に多かったと思いますが、今日は男性の姿も多く見られて、とても良いことだと思いました。


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