Report no.1:「児童労働とコットン」を考える体験型ワークショップ
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Report no.1
「児童労働とコットン」を考える体験型ワークショップ
講師:岩附由香、成田由香子、植木美穂(ACE)

 コットン生産量が世界第2位のインドでは、児童労働が深刻な問題になっています。貧しい家庭を助けるために朝から晩まで働く子どもたちは農薬を大量に使うコットン栽培の作業に追われ、学校に行くことも許されず、皮膚病や呼吸疾患などの健康被害に日々悩まされています。遠い国の話にも聞こえますが、日本は服の主な原料である綿をインドから多く輸入していて、私たちの日常とインドは確実に「つながって」いるのです。

 日本の一般消費者が現地に行ってその様子を確かめることは、なかなかできませんが、体験型ワークショップを通してその「つながり」を実感してもらおうと、ACEスタッフによるこの講義では参加者を6人ずつのグループに分け、3つのワークショップを行いました。1つめは8つのイラストカードを並べ替え、コットンの生産から服が仕上がるまでのプロセスを当てるもの(PHOTO1)。2つめはインドのコットン農家で働く13歳の児童労働者「ラクシュミ」ちゃんから、日本の大学2年生の消費者「わたる」まで、服の原料生産から消費までにかかわる6人の役柄にそれぞれがなりきって児童労働を考えるというワークショップでした。

 「ラクシュミ」ちゃんと「わたる」以外の配役カードは、貧しさから幼い娘を働かせざるを得ないと考える「ラクシュミ」ちゃんの母親、母子を雇ってコットンの栽培をしている農園のオーナー、コストダウンのため綿製品を大量生産する方針を貫く中国の縫製工場の社長、その服を仕入れる日本のアパレルメーカー社長、そして、そうした生産の背景は知らずに、何となく好みで服を買っている日本の学生―。それぞれに守ろうとする立場と見えない現実があり、互いの思惑に温度差があることをグループ全員で実感しながらディスカッションし、解決策を考えていくという興味深い内容でした(PHOTO2)

 そして、最後の3つめのワークショップではグループごとに「児童労働がなくなる日」を設定、そのゴールに向け「みんなでできるアクション」「ひとりでできるアクション」を考え、ロードマップを作成しました(PHOTO3)

 36人の定員が早々に満席となったエシカルファッションカレッジの最初の講義。冒頭で参加者全員に服のタグを見てもらい、自分の服がどこの国で作られたものかを確認する一幕がありましたが、ほとんどが中国などの海外製でした。服が作られるまでには実に様々な工程があり、その生産ラインは今ではコストダウンを求めて世界に広がり、末端の労働者は非常に見えにくくなっています。自分が着ている服もルーツをたどれば、インドのラクシュミちゃんにつながっているかもしれない―。ACE代表の岩附由香さん(PHOTO4)は「児童労働に自分の生活も何らかの関係があることを知ってもらうためにこのワークショップを作りました」と話していましたが、自分の服も例外ではないことに改めてハッとさせられた参加者も多かったのではないでしょうか。

PHOTO1
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PHOTO2
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PHOTO3
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PHOTO4
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PARTICIPANT COMMENTS

堀米京子さん

堀米京子さん
(大分県、オーガニックレストラン経営)

出張で都内へ来たのでものづくり学校をのぞいたら、たまたまこのイベントをやっていました。今回のようなワークショップは初めてでしたが、ラクシュミちゃんや会社経営者、消費者などそれぞれ考えていることがバラバラで驚きました。みんな自分の幸せのために一生懸命やっているけれど、生産者の状況を知らなくて考え方に温度差が出てきてしまう。末端の生産者の大変さをみんなが知れば、現状も変わっていくのかなと思いました。


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